僕は美しく老いてはいない。
不摂生とまでは言わないが、少なくとも「美しく老いるための努力」をしないまま中年を過ぎて初老の入口に立ってしまった。体型は崩れ、白髪も増えた。皮膚はたるみ、皺は深い。
「美しく老いる」には、きっと並々ならぬ努力か、老いをねじ伏せられる経済力か、長年のきちんとした生活習慣が必要なんじゃないかとぼんやり思ったりもする。
今更どうこうなることではないので、せめてもの抗いとして僕は小ぎれいなおじいちゃんを目指そうと思ってる。決してお洒落じゃなくてもいい、高級なものもいらない。清潔で、ヨレヨレしてなくて、季節感がズレてなくて、サイズのあった服をきちんと着てるおじいちゃん。
そんなこともあって以前に比べて洋服や靴をよく買うようになった。目下の問題は古くて着ない服でも捨てられないこと。クローゼットも靴箱も飽和しつつある。
ひとつ買ったらひとつ捨てろと家内は言うが、物理的な制約があれば物欲の歯止めになっていいんじゃないかなどと自分に言い訳してみる。そのうちにクローゼットを「小ぎれい」にしろと小言が飛んでくるかな。

