地球にやさしくとか、地球を大切にとかいうが、地球はそんなヤワじゃない。ヤワなのは我々が命を繋いでいくための環境と、そこに生きる私たちだ。そんな私たちが抗えるものなどたかが知れている。どんなに科学が進歩したところで人間の英知など天変地異に比べれば誤差に過ぎない。
娘のリクエストで、FUJIなごや科学館(名古屋市科学館)で開催中の特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」を見に行った。地球史上で特に規模が大きかった5回の大量絶滅「ビッグファイブ」を紐解く展示だ。
会場に入ると、かつて地球に君臨しながらも、環境の激変によって姿を消した古生物たちの化石や精巧な復元模型がずらりと並ぶ。

最も古い絶滅は約4億4500万年前、最近のものでも約6550万年前。現生人類の歴史が20万年そこそこだから、あまりに桁が違いすぎて正直ピンとこない。古生物たちのなにやら現実感のない姿も、まるで「出来の悪いSF」のように見えてしまった。
だが、約2時間の見学を終える頃、奇妙な実感が湧いてくる。凄まじい天変地異で9割もの生命が滅ぶ中、偶然生き残った「わずかな勝者」のバトンが、巡り巡って今の私や娘に繋がっているのだ。
壮大すぎてついていけなかった歴史の最先端に、今、私たちが間違いなく立っている。そしていつの日にか、そのバトンは私たちとは似ても似つかない姿の「次の勝者」に渡されるのだろう。

